このページでは展示方法や作品制作に関して書いています。


■ 2019年7月25日-7月29日、ヴォーリズ学園ハイド記念館にて個展「Street – Life is beautiful -」開催(ヴォーリズ学園同窓会共催)

場所:ヴォーリズ学園ハイド記念館(ヴォーリズ建築、国登録文化財) (.523-0851 滋賀県近江八幡市市井町177)
期間:2019年7月25(木)- 7月29日(月)
時間:13:00~17:00、(25日は15時から、最終日は16時まで)。入場無料。
JR近江八幡駅北口バス6番乗り場からバスにて8分。近江バス「長命寺」「休暇村」行き、ヴォーリズ学園前下車。ヴォーリズ学園へのアクセス(学園HPに地図掲載

1931年、メンソレータム創業者アルバート・アレキサンダー・ハイドの夫人から建設費用寄付を受けて建てられたヴォーリズ建築です。隣の教育会館と合わせて2000年に国の登録有形文化財に指定されました。周りの雰囲気と合わせ非常に趣きがあります。

 

そのハイド記念館で「Street – Life is beautiful -」と「Nostalgic harmony」他あわせて200作品展示します。

 

作品展示方法

ハイド記念館が国の登録文化財になっているので展示方法について考えました。移動できるパネルでの展示は問題ありませんが、文化財保護の観点から壁に展示のための釘等は使えません。そこで重くないように紙一枚での展示にしました。ドイツで見つけたフォト用紙でかなりの厚さがあります。壁の展示ボードにピンを留め、そこに麻紐を張ります。その間に無色透明の洗濯バサミを通し、写真を吊り下げました。そして更にその下には無色透明のダブルクリップで次の写真を吊り下げ、それで縦4枚吊り下げられました。

テストプリントをした際、このフォト用紙は普通にプリントすると青白くなったので、モノクロプリント設定で暖色にしてプリントしました。全てA3サイズです。

当初、湿気対策も兼ねて全て裏打ちすることも考えましたが、ピンだけで支えることで重さが心配だったので裏打ちなしにしました。それを考慮して分厚い用紙を探しましたが、ドイツで印刷した時は真っ平らだったのが、日本で展示して5日目には湿気を吸ったのか、かなり歪んでいました。しかしそれもこの展示では味と感じられるかもしれません。ちなみに一階で展示した作品で同じく額装なしの写真は全て裏打ちしてありましたが、ボードで丈夫なフックを使用したので落ちることはありませんでした。

今回の展示に際して、2階の一部屋でメインの展示ができると予め聞いていました。そのために最初に選んだ枚数は約300枚、そこから展示スペースを意識して200枚プリント用のデータを作りました。壁4面以外にボードやテーブル、椅子などを工夫すれば展示できる枚数だと思いましたが、それら全てを使用すると空間がうるさくなり、写真を観る際の距離も取れないことも考えられました。そこで極力シンプルにすることにして壁3面だけを使うことに決めました。

ドイツの自宅で100枚プリントしましたが、ただこの時点では壁3面に何枚展示出来るかは分かりません。だいたい何メートルくらいだろうと予想して、そこから一枚あたりの面積等を大まかに計算して90枚以上は展示できると予想しました。結果、2階で99枚の作品を展示できたのは良かったです。ご覧くださった皆様、どうもありがとうございます。また展示をする際にお手伝いいただいた皆様、どうもありがとうございます。

 

 

「街」シリーズ

今回の「Street – Life is beautiful -」に繋がるシリーズで2013年に発表したモノクロの「街」シリーズがあります。同年に京都、大阪、東京、滋賀で展示したものです。その中の11点を今回展示しました。この「街」シリーズは黒い額縁に黒のマットを使用し、写真そのものも黒を意識したものになっています。

 

黒を主体とした場合は光の回り方や空間の切り取りを意識していますが、今回の「Street」では、逆に被写体そのものや、被写体のいる空間、間(ま)を意識して、一目で写真が感じられるように意識しました。そのために情報量を少なくして白を主体としました。同じ写真でも編集の仕方で印象が随分と変わります。

次の2枚の写真は画像サイズも切り取り方も違いますが、元は同じRAWファイルです。上がこれまでの黒を主体とした編集で、下が今回の白を主体としたものです。黒の方は周りの雰囲気と合わせて空間を意識したのに対し、白の方はSL主体としました。それ故に編集時に切り取り方を変えました。そしてあくまで個人的な感覚ですが、白主体の方がSLの振動や早さ、荒々しさがあると思いますが、私が撮影時に感じたのは同じ振動でも、重厚さがあって真っ直ぐな綺麗な振動で、それは荒ぶっているものではありません。そして貴婦人のような上品さ、美しさがSLにありました。それゆえ、当時は黒を主体で編集しました。

今回、この黒主体のSL作品(サイズA1)は一階フロアで展示させていただきました。下の白主体のSLはプリント用のデータ制作しただけでプリントしていません。今回のテーマ的に「街の人物」ではないので。いずれにしても展示では1階の黒モノクロ、2階の白モノクロの対比も楽しんで頂ければ嬉しいです。

 

今回のヴォーリズ学園ハイド記念館での山本英人写真展「Street – Life is beautiful -」(ヴォーリズ学園同窓会共催)でご覧いただいた方々から直接、多くいただいたご感想は「この展示の写真集が欲しい」ということでした。写真集目指して頑張ります。どうもありがとうございました。

ヴォーリズ学園ハイド記念館での山本英人写真展(ヴォーリズ学園同窓会共催)、無事に終わりました。ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございます。企画準備、搬入搬出、設営等、そして期間中のお手伝いなど様々な面でサポートしていただいた皆様、どうもありがとうございます。皆様のおかげで非常に良い展示が出来ました。200点の作品展示が出来たことはとても嬉しいことです。

かねてより母校ヴォーリズ学園のハイド記念館もしくは教育会館で写真展を開催したいと考えておりました。私1人では決して実現できなかったことをたくさんの方のサポートのおかげで実現出来ました。どうもありがとうございます。同時に色々な方とのご縁や繋がりが感じられました。写真展が単に写真を展示する場所だけでなく、様々な方との交流の場になったこと、写真を通しての交流ができたことは嬉しい限りです。

そして作品にも様々なご感想をいただきました。それらを力にこれまで以上に頑張っていきます。

今回のヴォーリズ学園での展示では、学園関係者の方々、先生方、在校生、卒業生、同窓生、同級生、高校3年間同じクラスだった人たち、学園や近江兄弟社にゆかりのある人達との出会いや懐かしい再会があり、嬉しいひと時でもありました。そしてご来場いただいた方々との会話も楽しいものでした。不在等でご挨拶出来なかった皆様、申し訳ございません。

いずれにしても今回はたくさんの方にお世話になり、本当に感謝です。どうもありがとうございました。

 

それから今回展示した作品1点(写真はA1サイズで額は1メートルを超えるもの)を学園の方に寄贈させていただきました。それに関する書類のやりとりや設置等でお世話になった皆様、どうもありがとうございます。私個人としては大好きなヴォーリズ建築であるハイド記念館に作品を残せたことは非常に嬉しいことです。今後、写真をご覧になる方々や学園の後輩たちに何かヨーロッパの香りが伝えられれば嬉しく思います。同時にそこから写真や外国に興味・関心を持ってもらえるとなお嬉しいです。写真がそのきっかけの一つになることを願っています。下の写真では展示していたときのままになっていますが、後日、しっかりとしたキャプションを作っていただけるということです。どうもありがとうございます。今回は本当に多くの方々のご縁を感じ、たくさんの方にお世話になった写真展でした。私自身の人生においても一つの大きな点になる気がします。ありがとうございました。

 


・個展
2019 滋賀 ヴォーリズ学園ハイド記念館にて「Street – Life is beautiful – 」
2019 ザールブリュッケン「Gallery Café Monroe」にて「Lucyna und …」
2018-2019 ザールブリュッケン「Gallery Café Monroe」にて「Impressionism PhotoArt」
2018 京都 ポルタギャラリー「華」にて「Nostalgic harmony」
2015 京都 ポルタギャラリー「華」にて「重なる写真が広げる世界」
2013-14 滋賀 ギャラリー「かまーとの森」にて「街」
2013 東京 フォトギャラリー〈Place M〉ミニギャラリーにて「静かな闇、優しい光」
2013 東京 フォトギャラリー〈Place M〉メインギャラリーにて「『街』と『花』」
2013 大阪 オリンパスプラザ大阪、オープンフォトスペースにて「『街』と『花』」
2013 京都 ポルタギャラリー「華」にて「『街』と『花』」
2010 京都 ポルタギャラリー「華」にて「静かな闇、優しい光」
2009 岩手 奥州市箪笥道楽ARTぎゃらりいにて「時の風」

・コンサートにおける写真映像とのコラボ
2018 東京 国分寺スタジオ花音「山本のりこソプラノリサイタル」及び会場写真展示
2014 東京 マエストローラ音楽院「アマディスカ・サロンコンサート」
2011 x 2 東京 Sonorium共催シリーズ「映像と音楽」歌曲の響vol.3‐写真家・山本英人氏と共に

その他にオリンパスギャラリー(東京、大阪)での展示やコンサート会場、イベント等で展示。